RTAや配信のあれこれ

2020/08/31

DS/3DSの画面キャプチャ方法と音声の取り込み【配信環境】


この記事では、DS/3DSキャプチャボードの入手方法やPCとの接続・配線についてまとめています。
配線は、モニタリング音声とゲーム機本体の画面とのズレをなくす、ということに焦点を当てて考えたものです。

質問や不明点等ありましたら、コメント欄や筆者Twitterなどでお知らせください。


キャプチャボード(偽トロ)の入手

ゲーム機の画面をPCに映すためには、キャプチャボードという機器が必要になります。
特にDS/3DSのキャプチャボードについては「偽トロ」「偽トロキャプチャ」と呼ぶこともありますが、本記事では「キャプチャボード」という呼称で統一しています。

DS

投稿日現在、DSのキャプチャボードは国内で販売されていないため、主な入手方法は以下の2つです。
  • ヤフオクやメルカリ等のサイトで完成品を購入する
  • 海外サイトでキャプチャボードのみ or 完成品を購入する

私は3DS Captureという海外サイトでキャプチャボードのみを購入し、自分で取り付けを行いました。
上記リンク先の「Order page is HERE.」から購入ページに飛べます。

なお、対応ハードは初代Nintendo DSのみで、DS Liteには対応していません。

3DS

主な入手方法は以下の通りです。
  • ヤフオクやメルカリ等のサイトで完成品を購入する
  • 国内の販売サイトでキャプチャボードのみ or 完成品を購入する
  • 海外サイト[link]でキャプチャボードのみ or 完成品を購入する

私はオプティマイズというサイトでキャプチャボードを注文、3DSを送って業者の方に取り付けをお願いしました。

サイトによって取り扱っているキャプチャボードの対応ハードが異なる(初代3DSのみ、New 3DSシリーズのみなど)ため、確認の上購入してください。

配信環境の全体図

  • うまくいかなかったら買い足して配線し直し、を繰り返した結果の配線なので少し冗長かもしれません。もしかしたらもっと簡略化できるかも
  • 音声も①からキャプチャできますが、音質がかなり悪かったため別で取り込んでいます。
  • モニタリングするゲーム音の遅延(0.2秒程度)が気にならない場合は、⑤⑥⑦無しで③を直接PCに入力してOKです。この場合、ゲーム音のモニタリングはPCのOBSから出力します。[詳細は記事下部]

(画像はクリックで拡大できます)

① Micro USBケーブル
② 3.5mm-RCA変換ケーブル(RCAオス
③ 3.5mm-RCA変換ケーブル(RCAメス
④ ノイズフィルター
⑤ 3.5mm 2分配ケーブル
⑥ 3.5mm オーディオ分配ケーブル(出力側は必ず4極
⑦ USB-3.5mm変換ケーブル(入力側は必ず4極
⑧ キャプチャボード内蔵DS/3DS
⑨ イヤホン・ヘッドホン(ゲーム音モニタリング用)

必要な機材詳細

私が購入した商品のリンクを貼っていますが、同じものでなくても条件を満たすものであれば問題なく使えると思います。

① Micro USBケーブル

PCとDS/3DSをつないで、PCに映像を出力させます。
キャプチャボードを購入すると、ほぼ付属品としてついてくるので別で購入する必要はありません。

② 3.5mm-RCA変換ケーブル(RCAオス)

RCA端子が2つ、かつオスであるものを選びます。
3.5mmステレオミニプラグは3極(金属部分の線が2本のもの)と4極(線が3本のもの)どちらでも大丈夫です。

③ 3.5mm-RCA変換ケーブル(RCAメス)

RCA端子が2つ、かつメスであるものを選びます。
②と混同しやすいので、商品詳細をよく見て購入しましょう。

モニタリング音声の遅延が気にならない、かつUSB入力のほうが好きな方は、RCA端子×2+USB端子のケーブルを選ぶとよいかもしれません。
(試していないのでうまくいくかは分かりかねます)

④ ノイズフィルター

ノイズフィルターがないと、PCに取り込んだ音声にかなりノイズが乗ってしまいます。

接続がRCA端子でないノイズフィルターを購入する場合は、②③の変換ケーブルは必要ありません
選んだノイズフィルターに合わせて適宜変換ケーブルを用意してください。

⑤ 3.5mm 2分配ケーブル

2端子がメス、1端子がオスのケーブルを選びます。

「スマホのオーディオ端子を拡張して、2つのイヤホンで同時に音楽が聴ける」といったことが説明欄に書かれている商品であれば、問題なく使えると思います。

⑥ 3.5mm オーディオ分配ケーブル

入力がマイク端子ヘッドホン端子のメス2つ、出力が4極オス(プラグの黒線が3本)のものを選びます。

使用するのはマイク端子のみなので、これより良い接続方法があるかもしれません。

⑦ USB-3.5mm変換ケーブル

入力が4極メスであるケーブルを選びます。

PCやその他機器によっては、USB変換ケーブルなしで直接⑥をPCに接続しても問題なく音声が取り込める可能性もありますが、以下の理由から私は変換ケーブルを介して音声入力をPCに接続してます。
  • 私の環境では、これがないとなぜか音声がPCに取り込めなかった
  • オーディオ端子からライン入力として取り込むより、USB入力のほうが設定が楽だった

⑧ キャプチャボード内蔵DS/3DS / ⑨ イヤホン・ヘッドホン

⑧については、上に記したため省略します。

⑨はゲーム音をモニタリング(確認)できるものならイヤホンでもヘッドホンでもOKです。ただ、ヘッドセットを接続しても恐らくマイクは機能しないと思われます(実物で確かめていないため正確な情報ではありません)。

PC側の設定

画面ビューアソフトのインストール

DS/3DSのキャプチャボードの購入ページ等に、専用の画面ビューアソフト(キャプチャボードから受信した信号を映像として表示するソフト)のダウンロードリンクがあるので、そこからダウンロードします。

ダウンロードしたzipファイルを解凍したら、ダウンロードページの説明に沿ってインストール等を行います。

画面ビューアの設定に関しては、ここでは省略します。
「3DS 画面ビューア 設定」などで検索すると詳しい記事がでてくるため、そちらを確認してみてください。

配信ソフトの設定

配信ソフトは有名どころだけでもいくつかありますが、以下ではOBSについて説明します。
OBSを既にダウンロードしてある前提での説明になるので、ダウンロードや初期設定については公式サイトや他サイトを参照してください。

映像

まず、DS/3DSの画面ビューアを起動します。
このとき最小化はしないでください。

次にOBSを起動します。
DS/3DSの画面を配置したいシーンを選択したら、ソースの追加ボタン+をクリックします。
[ウィンドウキャプチャ]をクリック、新規作成を選択し[OK]をクリックします。
プロパティが表示されるので、画面ビューアと同じ名前のウィンドウを選択し、[OK]をクリックします。


これでOBSの画面上にDS/3DSの画面ビューアが表示されるようになりました。

音声

音声入力端子がUSBの場合 [クリックで表示]

音声接続側のUSB(配線図の⑦)をPCに接続すると自動的にドライバーのインストールが始まります。
ドライバーのインストールが完了したら、OBSの設定に移ります。

マイクの音声ミキサーの歯車をクリックしてメニューを表示、[プロパティ]を選択します。
表示されたウィンドウで該当のデバイスを選択後、[OK]をクリックして完了です。
音声ミキサーに表示されているマイクをすでに別のデバイスに割り当てている場合は、OBS上部のメニューバーから[ファイル]>[設定]>[音声]と進み、無効になっている欄いずれかをゲーム音入力デバイスに変更すればOKです。
音声ミキサーに表示されるデバイス名を変更したい場合は、歯車マークをクリックするか音量バーの辺りで右クリック、表示されたメニューから[名前を変更]を選択します。

音声入力端子が3.5mmミニプラグの場合 [クリックで表示]

オーディオ端子をライン入力として認識させる必要があります。
PCによって設定方法が異なるため、「パソコンのモデル名 オーディオ端子 切り替え」のように検索して出てきた方法を試してみてください。

お使いのPCがWindowsで、Realtekオーディオドライバーがインストールされている場合は、以下のサイトが分かりやすくまとまっていておすすめです。

PCのオーディオ設定が完了したら、OBSの設定に移ります。

マイクの音声ミキサーの歯車をクリックしてメニューを表示、[プロパティ]を選択します。
表示されたウィンドウで「ライン入力」を選択後、[OK]をクリックして完了です。
音声ミキサーに表示されているマイクをすでに別のデバイスに割り当てている場合は、OBS上部のメニューバーから[ファイル]>[設定]>[音声]と進み、無効になっている欄いずれかを「ライン入力」に変更すればOKです。
音声ミキサーに表示されるデバイス名を変更したい場合は、歯車マークをクリックするか音量バーの辺りで右クリック、表示されたメニューから[名前を変更]を選択します。

参考

[1] モニタリング音声の遅延について

OBSでゲーム音をモニタリングする場合、環境にもよりますがゲーム機本体の画面より0.2秒程度音声が遅延します。
多くのゲームでは問題にならない程度の遅延ですが、リズムゲームやその他シビアな入力タイミングが求められるようなゲームをプレイする場合はこの遅延がかなり気になります。

そのような場合は、OBSから出力したゲーム音をモニタリングするのではなく、上記配信環境の全体図のように、配線の途中からゲーム音を拾ってモニタリングする必要があります。

余談:
私の場合は、おいでよどうぶつの森 金の釣りざおRTAを走り始めたときにレア魚が全く釣れなかったことからゲーム音が若干遅延していることに気づきました(それまでは全く気にならなかった)
その後色々試して上図のような配線にしたので、よほどシビアなタイミングを要求されるゲームでなければ間の配線(図でいう⑤⑥⑦⑨)は必要ないかもしれません。

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